【土地探しの罠】いきなり不動産屋に行くな!失敗しないために「最初」にやるべき3つの準備

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【結論】土地探しは「家を建ててくれるパートナー」を決めてから

もしあなたが、まだどこのハウスメーカーや工務店で建てるか決めていない状態で、いきなり不動産屋に行って土地を買おうとしているなら、今すぐストップしてください。

それは、「中身が決まっていないのに、先に弁当箱だけ買う」ようなものです。

家づくりで失敗しないための正しい順序は、以下の通りです。

  1. 総予算を決める(借りられる額ではなく、返せる額)
  2. どんな家を建てるか決める(性能・広さ・依頼する会社)
  3. 残った予算で「土地」を探す

多くの人が「3. 土地探し」からスタートしてしまいます。 その結果、土地にお金を使いすぎ、肝心の建物にお金が回らなくなり、「妥協だらけの低性能な家」を建てる羽目になるのです。

なぜ不動産屋に先に行ってはいけないのか。その3つの致命的なリスクについて解説します。


リスク1:不動産屋は「家の性能」には興味がない

不動産屋さんの仕事は、あくまで「土地の仲介」です。 彼らにとってのゴールは、あなたがその土地を買ってくれることです。

あなたがその土地に「どんな性能の家」を建てようとしているか、冬暖かく過ごせるかなどは、彼らの管轄外です。 そのため、平気で次のようなトークをします。

「土地が〇〇万円で、建物はだいたい2,000万円くらいで建ちますから、予算内ですよ!」

この「建物2,000万円」が曲者です。 これは「とりあえず住める最低限の家」の価格であり、私たちが目指す**「高気密高断熱(UA値0.46など)の快適な家」の価格ではありません。**

不動産屋の言う「予算内」を信じて土地契約をしてしまうと、いざ工務店で見積もりを取った時に、 「性能にこだわると、あと500万円足りません」 という地獄のような宣告を受けることになります。


リスク2:土地代以外にかかる「見えないお金」が見抜けない

ネット上の土地価格が「1,500万円」だとしても、実際にその金額で家が建つとは限りません。 土地には、素人には見抜けない**「隠れコスト」**が潜んでいます。

  • 地盤改良費: 地面が柔らかく、補強に100万円かかる。
  • 水道引き込み工事: 前の道路から水道管を引くのに50万円かかる。
  • 高低差の処理: 土が崩れないように壁(擁壁)を作るのに200万円かかる。
  • 法規制: 防火地域のため、窓ガラスを網入りにする必要があり30万円アップ。

これらは、不動産屋は積極的には教えてくれません(「建築会社さんに聞いてください」と言われます)。 しかし、**先に「建築のプロ(工務店やハウスメーカー)」を味方につけておけば、**土地を買う前に現地を見てもらい、 「この土地は安いですけど、造成費でプラス200万円かかりますよ。やめておきましょう」 と、プロの視点でストップをかけてくれるのです。


リスク3:予算オーバーのしわ寄せは、全て「家」にくる

家づくりの総予算は決まっています。 「土地」にお金をかければかけるほど、「建物」に使えるお金は減ります。

例えば、総予算5,000万円の人が、立地の良い3,000万円の土地を買ってしまったとします。諸費用を除くと、建物に使えるのは約1,500万円強。 これでは、性能にこだわった家を建てるのは不可能です。

結果どうなるか?

  • 断熱材をグレードダウンする(冬寒い)
  • 窓をアルミサッシにする(結露する)
  • 耐震等級を下げる(地震が怖い)

家族の命と健康を守るのは「土地」ではなく「家(建物)」です。 駅近の便利な土地を手に入れた代償に、家の中で凍えて暮らすなんて、本末転倒ではないでしょうか。


【解決策】賢い土地探しの3ステップ

では、どうすれば良い土地に出会えるのか。正しい手順を伝授します。

ステップ1:自分たちの「家の予算」を把握する

まずは、建てたい家のレベル(高性能住宅)が得意な工務店やメーカーの目星をつけ、**「自分たちが希望する広さなら、建物本体と諸費用でいくらかかるか」**を把握してください。

(例)建物+諸費用 = 3,000万円

ステップ2:逆算して「土地の予算」を決める

総予算から、家の予算を引きます。

(例)総予算 4,500万円 − 家 3,000万円 = 土地予算 1,500万円

この「1,500万円」が、あなたが土地に出せる限界額です。これを超えたら破綻します。

ステップ3:建築会社と一緒に土地を探す

ここがポイントです。不動産屋に行くときは、「建築会社の営業担当」に同行してもらうか、建築会社経由で土地情報を探してもらいましょう。

彼らは「良い家を建ててもらうこと」がゴールなので、 「この土地は日当たりが悪いから、冬寒くなりますよ」 「ここは水道工事費が高いから、値引き交渉しましょう」 と、あなたの味方として動いてくれます。


まとめ:土地は「70点」で手を打て

今回のまとめです。

  1. いきなり不動産屋に行ってはいけない。 まずはパートナー(建築会社)探しから。
  2. 不動産屋の「建物予算」は信じるな。 高性能住宅の価格とは違う。
  3. 土地の「隠れコスト」はプロに見抜いてもらう。
  4. 家を守るために、土地の予算は厳守する。

最後に、土地探しのマインドセットとして大切なことを一つ。 「100点満点の土地は存在しません」

日当たりが良くて、駅近で、広くて、安い土地。そんなものがあったら、不動産業者が自分で家を建てて売っています。市場には出回りません。 私たちが見つけられるのは、何か欠点がある土地だけです。

しかし、「多少日当たりが悪くても、設計の工夫で明るくする」ことはできます。「駅から遠くても、その分、建物にお金をかけて快適にする」ことはできます。

土地は70点でOK。残りの30点は「家の性能と設計」でカバーする。 この考え方を持てた人だけが、土地貧乏にならずに幸せな家づくりを完走できます。

さて、準備の話が続きましたが、全体像が見えてきたでしょうか? 次回は、いよいよ「家づくりロードマップ完全版:契約から引き渡しまでにかかる期間と全工程」を解説します。 いつ、何をすればいいのか? カレンダーを見ながら計画を立てましょう。


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