【リビング階段 vs ホール階段】後悔しないのはどっち?「寒い」「うるさい」の正体と、高性能住宅での新常識

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【結論】「家の性能」が低いならホール階段、高いならリビング階段が正解。

階段の位置選びで失敗しないための基準はたった一つ、「その家の気密・断熱性能がどれくらいか」です。

  • 性能が「普通」以下の家(断熱等級4以下、C値未測定など):→ 「ホール階段(独立階段)」を強く推奨します。リビング階段にすると、冬場は2階の冷気が滝のように降りてきて、リビングが地獄のように寒くなります。
  • 性能が「高い」家(G2レベル、C値0.7以下):→ 「リビング階段」が圧倒的におすすめです。家中どこでも温度が一定なので、リビング階段が「空気の通り道」となり、エアコン1〜2台で家全体を効率よく空調できるからです。

「リビング階段は寒い」というネットの口コミは、実は性能が低い家での話です。

なぜ、性能によってここまで評価が分かれるのか? 具体的なメリット・デメリットと共に解説します。


1. リビング階段のメリットと「寒い」と言われる理由

リビングを通らないと2階に行けないリビング階段は、現代の間取りで非常に人気ですが、大きな「罠」があります。

メリット

  • 家族のコミュニケーションが増える: 子供が帰宅した際に必ず顔を合わせられる。
  • リビングが広く見える: 階段をデザインの一部に取り込むことで、空間に奥行きが出る。
  • 家全体の温度が安定する(高性能住宅限定): 暖かい空気が2階へ、冷たい空気が1階へ循環する「空気のルート」になる。

デメリットと「寒さ」の正体

最大のデメリットは「コールドドラフト現象」です。断熱・気密性能が低い家では、2階の冷やされた空気が重くなり、階段を伝ってリビングに降りてきます。これが「リビング階段は寒い」と言われる原因です。


2. ホール階段(独立階段)が選ばれる理由とメリット

玄関ホールに階段を配置する「ホール階段」は、プライバシーを重視する方に根強い人気があります。

メリット

  • 音や匂いが伝わりにくい: リビングでテレビを見ていても、2階の寝室まで音が響きにくい。キッチンの料理の匂いも2階に上がりにくい。
  • プライバシーの確保: 子供が友達を連れてきた際、リビングを散らかしていても気にならない。
  • 空調効率が良い(低性能住宅の場合): リビングを「個室」として仕切れるため、パワーの弱いエアコンでもすぐに温まる。

デメリット

  • 家族と顔を合わせる機会が減る: 知らない間に子供が外出していた、ということが起こりやすい。
  • 廊下やホールに面積を取られる: 限られた坪数の中で、廊下の面積が増える分、部屋が狭くなる可能性がある。

3. リビング階段の「3大不満(音・匂い・光)」の対策

性能が高い家でも、「音」と「匂い」の問題は残ります。これらは設計の工夫で解決しましょう。

  1. 音の対策(吹き抜け・遮音):リビング階段と吹き抜けをセットにする場合は、2階の各部屋のドアを「遮音性能の高いもの」にするか、階段の登り口に「引き戸」を設置して、状況に応じて仕切れるようにします。
  2. 匂いの対策(換気):前回学んだ「第1種換気」が正しく機能していれば、匂いはすぐに排気されます。また、キッチンの配置を階段から遠ざけるだけでも効果があります。
  3. 光の対策(夜間の照明):夜中に誰かが階段を上り下りする際の光がリビングに漏れるのが気になる場合、足元灯(フットライト)をセンサー式にするなど、照明計画を工夫しましょう。

4. 失敗しないための「階段チェックリスト」

あなたの要望に合わせて、どちらが合っているかチェックしてみましょう。

チェック項目リビング階段がおすすめホール階段がおすすめ
家の性能断熱G2以上・C値0.7以下性能はそこそこで予算重視
家族の距離感常に気配を感じていたい適度な距離感とプライバシー重視
音への敏感さあまり気にならない寝ている時に音を立てられたくない
インテリア階段をオシャレに見せたい階段はただの昇降手段でいい
空調計画家全体を一定の温度にしたい使う部屋だけを冷暖房したい

まとめ:性能とライフスタイルで決着をつける

今回のまとめです。

  1. 高性能住宅(高気密高断熱)ならリビング階段が正解。 空調効率が上がり、家全体が快適になります。
  2. 性能に自信がない家ならホール階段が無難。 冬の「寒さ」による後悔を防げます。
  3. 音や匂いの不安は、設計や設備(換気・建具)で解消可能。
  4. 「家族とどう過ごしたいか」を優先順位の軸にする。

「流行っているからリビング階段」ではなく、「我が家の性能と暮らし方に合っているか」で選ぶことが、後悔しない間取りへの第一歩です。

さて、階段の位置が決まったら、次に気になるのはLDKの主役、「キッチン」です。

次回は、「対面キッチン vs 壁付けキッチン。アイランドキッチンは本当に後悔するのか?」について、共働き世帯の家事動線とメンテナンスの視点から徹底解説します!


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